キケンなお留守番~オオカミ幼なじみにご用心!~





ふぅ、と長く息つくと、俺は静かに口を開いた。



「さっきのコンビニでさ、怖ぇカンジの兄ちゃんが、おまえをナンパしようとしてたんだよ。
だから、さっさと逃げてきたんだ」


「え?
またそんな…冗談言って」


「なんでそんな冗談俺が言う必要があるんだよ」


「……」


「ほら、もうちょっとこっち来いよ。
こんな離れてちゃ、彼女って見えないだろ」


「ぁ…」



ほんの少しの力で引っ張ったつもりだったけど、

不意だったせいなのか…



蓮は頼りなくつんのめると、

とん、

俺の肩に寄しかかった。



「ごめ…」



蓮の綺麗な顔が見上げてきて、俺と真っ直ぐに目が合った。



白い頬が見る間に赤く染まって、

薄い唇も、怯えるように引き結ばれて、赤みを増す。
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