こんなに好きで





でも…………、そう言って愛菜は言葉を濁した




辛い声も



愛しそうに思い出している姿も




全部、俺ではない男のため




嫉妬に狂いそうになる気持ちをなんとか抑えている




もともと、ポーカーフェイスの俺にとっては容易いこと




クールだとか、冷たいとかよく言われた




最近では愛菜の事に対しては自分の気持ちを伝える様にはなった




それでも、端から見れば冷めた彼氏かもしれない







「彼との時間はあまり残されてなかったの…………」





「え?」





「もともと、心臓の病気で…………二十歳までは生きられないかもって……………」






「え……………」





「高2の夏に…………」






そのまま、愛菜は言葉を詰まられた









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