こんなに好きで













心臓の悪かった男にとって、愛菜を愛する事は寿命を縮める行為だったかもしれない





それでも……………







俺は愛菜を引き寄せ抱き締めた







「そいつは幸福者だな…………」





「えっ…………」





「愛菜に愛されて、愛菜を愛せた…………」






「……………ぅぅ…………」







腕の中で震えて泣く愛菜が愛しくて仕方なかった





少ない命の中での幸せだったはずだ






きっと愛菜にとって忘れるなんて出来ない人





それでも、今…………俺は愛菜を抱き締めることができる





愛菜を愛することが出来るんだ






「忘れろなんて言わない…………




でも、思い出せない位俺の事、考えて………」






頭の中を俺で一杯にして欲しい








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