こんなに好きで
蜜事
ガチャ
「あ、お、おはよう………」
「もう、夕方じゃん」
「あ、う、」
「ははっ!入れよ!」
土曜日、緊張した面持ちで俺の家に来た愛菜に笑顔になる
愛菜も緊張してくれてるんだと嬉しくなる
平静を装いながらも朝も早くから目が覚めてソワソワしていた
「お邪魔します」
リビングに案内してソファーに座ったのを確認してから飲み物を用意する
ふぅー
緊張で息をするのを忘れていたような感覚に大きく息を吐いた
ドクドク
心臓が恐ろしい早さで主張している
彼女も緊張しているが俺の比じゃない
なんせ、俺は初めてなんだ
愛菜の話を聞いて愛しさが募った
この世に居ない男に嫉妬しながらもほんの少しだけ感謝もしてしまった
元カレの気持ちは痛いほどわかる
自分の手で幸せにしたかっただろう
でも、それは俺の役目だ