こんなに好きで
「え、」
情けない事に頭の中は真っ白
なにも、聞きたくなかったのかもしれない
そんな俺の気持ちに気付いたのか
それとも全く気付いて無いのか愛菜はもう一度言葉を紡いだ
「別れよう」
それは、死刑判決でも聞いてるかのような
今日は平日なのに、急に愛菜から会いたいと言ってきて
俺はめちゃくちゃ嬉しくて
友人からの誘いも何時もと変わらずにスルーして
愛菜から連絡が来るのを部屋で待っていた
運よく、母親も仕事で弟も帰りが遅い
二人の甘い時間を想像しながら緩む口元を必死に取り繕っていた