こんなに好きで







「ちょっと、聞いてるの?」





「俺に元カノなんて居ない、彼女も一人だけだ」





愛菜はずっと俺の彼女だ




俺の言葉を理解したのか、長尾は顔を歪める





「顔だけの、つまらない男!



ふんっ!こっちから願い下げよ!




きっと、彼女もつまらない男に飽きたのよ!」





そう、吐き捨てて去って行った




'つまらない男'か




俺は近くのベンチに座り込んだ




愛菜が突然別れを切り出した理由はわからない




何度も何度も考えた




でも、うまく行ってたはずだ





でも、それは俺だけだったのか




愛菜はずっと、俺との別れを考えていたのか





それは、つまらない男だから?







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