手紙は時を駆け抜けて
私たちの間に、音のない空気が流れる。
三人のバラバラの視線、ちぐはぐな想いを肌で感じる。
私たちは笑ってふざけて凸凹で、最高で愉快な三人組だ。
でも、本当はどこかで感じていた。
安っぽいふざけた話しかしなくなったこと。
私たちは、亡くなった樹を含め四人組だったのだ。
樹が亡くなったら、この泡みたいに、彼の話は消えて、私たちの関係も薄っぺらになって……。
亡くなった樹との思い出さえも、簡単に消えてしまう日がくるのだろうか……。
手に力がこもって、紙パックが鈍くきしむ。