手紙は時を駆け抜けて
夢などない私は、親や教師にすすめられるがまま、短大を志望することになった。
これぞ、流されるがまま。
私は人生をなんとなくさまよって、流れのままに生きていく。
ほら、人生ってこんなものだ。
私は一度も流されたことなんてありません、そう強く言える人がいったい何人いるだろう。
どうしようもない私という人間の肩へ、背負ったカバンの中身がガツガツと当たって攻撃する。
私は顔をしかめ、厚い曇り空を見やる。
夢を持って本気の努力を続けられる人なんて、星くらいに遠い人。
私はそんな存在をたったひとりしか知らない……。