手紙は時を駆け抜けて
2.ピエロの仮面
*・*・*・*・*
「明日香、明日香? もう休憩時間入ってるよ。どうしたの?」
突然の声に振り返った私の目に飛び込んできたのは、しつこいくらいピンクに染まったいちごミルクの紙パックだった。
紙パックを差し出す白い細腕の向こうに、メガネ美少女の頬笑みがお目見えする。
揺らめく艶やかな黒髪ロング。
私を見つめる、華奢なメガネの向こうのおっとりと垂れた目。
考え事は彼方へ飛び去り、同性の彼女にうっとりと身悶える。
こんな美少女に差し入れをされる私、ああ、幸せだ!
「キモイ顔して見てんじゃねえよ。はにわ女は、絶対詩織みたいになんてなれねぇんだからな」
かあっと頭に血がのぼって、睨み上げる私。