大好きな人見つけました。


気がつけば私、悠紀くんを心の底から好きになってた。


どんなにつらいときも哀しいときも、悠紀くんがそばにいるだけで。


それだけで、楽になれた。
幸せな気分になれたんだよ。


それをわかっていない親も、私を苦しめた陽人も、学校の奴らも。
みんなみんな、地獄に落ちてしまえ。



私のこと、知ってるのは…
わかってくれるのは、悠紀くんだけだもん。



『ピロロロロロロロ』



手にしていたケータイが震えた。
まただ、『お母さん』。



もうあんな親どうでもいい。
プツリと電話を切った。



二度とかけてくんな。
子供を愛してる自分のことが大好きなんでしょ。

親ぶっちゃって、大っ嫌い。
私のこと本当は、好きでも何でもないくせに。


むしろ消えてほしいんでしょ?
こんな親不孝な子供、要らないよね。

でも陽人とか周りの目を気にし過ぎて、結局愛してるフリして。

嘘つきなんか、嫌いだよ。


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