大好きな人見つけました。
「上がりなよ、どうせ誰もいない」
「うん、お邪魔するね」
私の名前は田中実歩(タナカミホ)。
まだ15歳になったばかりの中3だ。
悠紀くんと出会ったのは、中1の夏。
学校帰り、深夜までふらついていたら、その頃高1だった悠紀くんが現れた。
そして叱ってくれた。
悠紀くんは、こんな不良みたいな私をちゃんと叱ってくれた。
親も、友達も、先生もみんな、こんな私を見捨てていた。
叱ってくれたことなんて、ない。
それなのに、初めて悠紀くんは。
私にちゃんと教えてくれた。
「子供みたいな奴が深夜に何やってんだよ」って。
言葉は突き刺さるように痛かった。
涙が溢れてしまった。
でも、それが悠紀くんの優しさであり、思いやりだ。