大好きな人見つけました。



電車を降りた。
小さな駅の売店で、ジュースを買った。



しばらく歩いた。
お互い、無言だった。



着いたのは歩いてからおよそ10分。
案外近いところだった。



既に花畑が広がっていた。
向こうのほうに、風車が見える。
天気も良くて、良かった。




「すてき」



「そうだな」



悠紀くんはスマホをとり出した。



「写真、とろっか」






悠紀くんとの写真。
花畑を背に、二人で。


満面の笑み。
また戻ってくるはずなのに、なんだか悲しい。
帰るの、やめよっかな。

ううん、帰るよ。


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