大好きな人見つけました。
嬉しかった。
私は、久しぶりに恋をしたんだ。
心のなかった私が、また心を取り戻そうとした。
そのきっかけ全てが悠紀くんだった。
「ごめん、厭きるだろ、この臭い」
部屋に漂う、この腐臭。
でも、いくら悠紀くんに近づいても、悠紀くん自体に腐臭はしない。
つまりはこの部屋に何かそのきっかけがあって、今も放置されているってことだ。
———————死体か。
まさか、悠紀くんに限って、そんなことはない。
「いいの、悠紀くんは何も悪い臭いしないし」
いつも悠紀くんは言う。
この臭いはここに引っ越してきてからずっとだ、って。