大好きな人見つけました。


久しぶりに見た陽人は、どこか大人っぽかった。
あの頃の幼稚でバカな陽人の顔じゃなかった。



パチンッ



「痛っ」



頬に衝撃が走った。
きっと、陽人に頬を打たれたんだ。




「お前、壊れてる」




そう言って、陽人は母親を抱きかかえて、部屋に入った。
私は腹が立った。




私は壊れてなんかない。
アンタのほうが、アンタらのほうが壊れてる。


< 51 / 72 >

この作品をシェア

pagetop