大好きな人見つけました。
「…実歩、こっち来いよ」
遠くで声がした。
私は呼ぶ声のするほうへ行った。
行きたくもないはずなのに、なぜか足は動いていた。
「実歩があんなにでっかい声で叫ぶから、驚いた」
「そう」
「外まで響いてたよ、幸い外には誰もいなかったけど」
陽人はこうやっていきなり語り出すとこ、昔から変わってない。
こういうところが、一番腹が立つ。
「あのさあ陽人」
「ん」
「私今好きな人がいるの」