大好きな人見つけました。
Episode9
Episode9
「実歩…?」
高校卒業祝いのパーティーのために友達との買い出ししていたら、後ろからふと誰かの声がした。聞き覚えのある、私の大嫌いな声。
「…陽人」
私の嫌いな、声の主は…陽人だった。
「久しぶり」
「近づかないで。」
「あー…ごめん。許してくれるわけないよな、時間が経っても。」
私のことをどう思ってるんだろう。親が死んだことに納得して、しかも殺人犯をずっと待ち続けている私を、彼は軽蔑しているだろうか。
「もうアンタなんか、関係ない。許しても許さなくても、他人じゃないの。」
「そうか…。じゃあな」
「待ってよ」
「ん?」
「…私のこと、今どう思ってる?」