僕は、君が好きです。
「いらっしゃいませ~!」

「二名様入りまーす!」

カフェ店員の格好をした

佐伯くんの元気な声が教室に響く。

「岸田ちゃん!オーダ~!

オレンジジュースと

苺パフェよろしくぅ~!」

佐伯くんが絵莉ちゃんに伝票を渡して

またテーブルに戻っていく。

「真凛~、オレンジジュースいい?」

「あ、うん!」

絵莉ちゃんは手際よくパフェのグラスに

アイスや生クリームと盛り付けている。

「絵莉ちゃん、上手だねぇ。」

私が関心して絵莉ちゃんを見ていると

「そんな事ないよっ…。」

そう言って苺を切って盛り付ける。

「だって男子の衣装も

殆ど絵莉ちゃん作ってたし…。

やっぱりすごいよ~っ!!」

絵莉ちゃんって器用なんだなぁって

男子のカフェ店員の衣装を見ていた。

黒のベストにバリスタ風の

黒の長いエプロンで

イケメンカフェにぴったりな衣装。

「真凛!ジュース!」

「え?ああ~!」

私がよそ見をして

ジュースを注いでいたせいで

気づいたらオレンジジュースが

グラスからかなり溢れていた。

「ごめん!ごめんなさい…!」

「…大丈夫だから、これで拭いて。」

もう…

私って本当にバカ…。

そう思って落ち込んでいると

急に教室の外が騒がしくなった。
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