僕は、君が好きです。

「…真凛ちゃん？」

「え！あ…何？」

私が顔を上げると佐伯くんが心配そうに

私の隣で伝票を持って立っていた。

「大丈夫？オーダーなんだけど…。」

「あ、はい…！ごめんね…！

今、するね…っ。」

ええと、何だっけ…えっと…。

ポロポロ…

急に頬に涙がこぼれてきた。

私…何で泣いてるの？

「えっ、真凛ちゃん？」

佐伯くんが私の涙を見て驚いている。

「どうした？？」

「違うのっ…これは…ごめんなさい…。」

涙を止めようと焦れば焦るほど涙が

次から次に溢れてくる。

「大丈夫だよ…落ち着いて…。」

そう言うと佐伯くんは私の前に立って

私が泣いてるのを隠してくれた。

「うん、じゃあさっ…真凛ちゃんに

特別任務頼んじゃおうかなぁー！」

そう言って私の手を引いて教室を出て

人がいない廊下まで連れ出してくれた。

私がやっと泣き止むと佐伯くんは

私の顔を覗き込んで

「本当に大丈夫？」

優しい顔で心配そうに私を見ている。

「うん、大丈夫…ありがとう。」

私が佐伯くんを見上げると

「じゃあ、ちょっと待ってて…

真凛ちゃんが元気になるもの

持ってくるから。」

そう言うと笑って佐伯くんは背を向け

走って行ってしまった。