僕は、君が好きです。
3章⑤-泰詩~ただ、それだけなんだ…~vol.25
~泰詩side~

「━それでは第35回○△際、閉会式を始めます。」

ヒュードン、ドン、ドン

「ワァー!!すごーい!」

「キレイ~!」

閉会式が始まり花火が上がると

一斉に拍手が鳴り響き歓声があがる。

花火が上がると辺りが照らされて

明るくなった。

俺はその一瞬の灯りの中…

真凛の姿を探していた。

「どこにいんだよ…」

模擬店を手伝うって言ってたのに…

あの後、結局来なくて…。

どうしたんだよ…

何かあったのか?

訳がわからないまま

真凛がいなくなった事が心配で不安で

俺は少し焦りながら真凛の姿を探した。

「お~いっ、泰詩~!」

少し離れた所から声がして振り返ると

隆司が片手を上げながら歩いて来た。

「なんだよ、どうしたんだよ?

めちゃ挙動不審じゃんっ!」

そう言って隆司は笑って俺を見ている。

「ほっとけよ…人探してるんだからっ…。」

「真凛ちゃんだろ?」

「そうだよ…。」

「あら、素直…!」

隆司がケラケラ笑っているのを無視して

「じゃあな…急いでるから!」

俺が行こうとすると

「あのさぁ…

もしかして渋谷と真凛ちゃんって

別れてないの?」

隆司が少し真面目な顔で俺を見た。

「はぁっ…?」

隆司のあまりに突然な言葉に

その言葉以外出てこなかった。



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