僕は、君が好きです。
…こんなに近くになるの久しぶり…っ。

恥ずかしさで思わず逃げ出しそうに

なるのを必死にこられて

何でもないように振る舞った。

ドキドキ…っ。

「うん……」

私もそれ以上何も言わずゆっくりと

歩き始めた。

私達は雪道をゆっくりゆっくり進んだ。

何も話さずにゆっくりと……。

その間にも雪が激しくなってきて

私達の身体にいつの間にか

積もってきていた。

私の頭にもじんわりと冷たさを感じる。

今日に限って傘…ない。

泰詩もきっと寒いよね…。

「クシュッ!」

ちょうどそのタイミングで

泰詩がくしゃみをした。

「泰詩…大丈夫?寒い?」

「寒いっ!」

「そ、そうだよね、ごめん……。」

泰詩の言葉にまた申し訳なくなってくる。

「アハハ…っ」

「え?何?」

急に笑い出す泰詩に驚いて泰詩の顔を

見上げた。

泰詩はそんな私を笑って見ている。

「なぁ…お前またヘコんでるだろ?」

「え…うん…」

「でも…俺が寒くないなんて言ったら

ムリさせてるって…

それでまた落ち込むんだろ?」

「…え」

「あのさぁ…

雪が降ってる夜道を

こんなノロノロ歩いてたら

そりゃ…普通に寒いだろっ?

…言っとくけど

俺は、お前みたいに

そんなにいいやつじゃないよ?」



< 151 / 212 >

この作品をシェア

pagetop