僕は、君が好きです。
「え…?何で?

泰詩はいい人だよ…?

だって私にいつも…優しい……。」

私はいつも…

あなたを傷つけてばかりなのに…。

「フッ……。」

泰詩が少し鼻で笑った様な声を出す。

「あのなぁ……だから真凛は

お人好しなんだよ…

何でもそのまま受け止めるんだから…。」

「え?……」

「言っとくけど…

俺は真凛が思ってるようなヤツじゃ

ないからな…。」

「え…どういう事?」

私は、いつも泰詩に助けられてる…。

そう言いかけて、泰詩の顔を見ると

街灯に照らされた泰詩の瞳が

ゆっくり揺れだして

その瞳が変わっていくのが分かり

言葉に詰まった。

その瞳は…とても悲しい色をしていた。

けれど…

とても真っ直ぐで、綺麗に澄んでいる。

「だから、俺は…お前みたいに

"お人好し"じゃないんだよ。」

そう言って泰詩は、私の顔を見た。

「私が"お人好し"…?」

私は、お人好しなんかじゃない…。

いつも自分を守りたくて…

嘘をついている。

私はいつもそうやって自分を

守ってばかり…。

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