僕は、君が好きです。
「…俺は自分勝手だから…

でも…

それでも真凛が困ってたら

絶対助けてやりたいと思ってるし

守ってやりたいって思ってる…。

それだけは…絶対に嘘じゃない。」

「…泰詩」

「それは、真凛にだけだよ…。」

「……え…」

泰詩の言葉に私は固まってしまう。

そんな私を見て少しいたずらっ子の様に

可愛く笑う泰詩。

「俺が優しくしたいのも…

助けてあげたいのも…

大切にしたいのも…真凛だけ。

真凛以外…いない。

こんな事言ったら…

嫌がられるかもしれないけど…

もう、嘘はつきたくないから。

だから俺は…

お前には寒い時は寒いって言うし…

好きなら好きって言い続けるから。」

そう言って固まって動けなくなっている

私の肩を掴むと

自分のコートのボタンを外して中に

私の身体を入れた。

「え?!ちょっと…!!泰詩…!!」

「いいから!入っとけ!

その方が温まるだろ…っ。」

えぇぇ…そんな急に…

私の顔が泰詩の胸の所に

ピタリとくっついている。

ドキン、ドキン…

急に胸の鼓動が速くなっていく。

ドキン…ドキン…

その鼓動が微かにずれている…

あ…泰詩の…

泰詩の鼓動も私と同じように

少し速くなっているように感じた。
< 154 / 212 >

この作品をシェア

pagetop