僕は、君が好きです。

3章⑥-真凛~あなたが好き~vol.27

~真凛side~

キーンコーンカーンコーン

「止め!後ろからテスト集めて~!」

チャイムの音と同時に教室がざわめきだす。

「あー!やっとおわたぁ~」

「遊ぶぞ~!」

「やったぁ~!」

「ヤバイーッ!」

「はいはい、静かにー!

これで期末試験終わりな……

今日は午後から職員会議で

ホームルームなしだから早く帰れよ!

提出物をしっかり出しておくように…!

日直は集めて持って来てくれ。」

そう言うと担任の矢野先生は

教室を出ていった。

あの日…

泰詩と一緒に雪のなか帰ってから

すぐに怒涛の期末試験が始まり…

やっと今日で終わって

もうすぐ冬休みに入ろうとしていた。

「今日の日直って~渋谷?」

クラスの誰かが大きい声で

渋谷くんの名前を呼んでいる。

「じゃあ、女子は?」

クラスの女子の何人かが

私の方に近寄ってきた。

「日直って、市ノ瀬さん?」

「うん、私…。」

ドサッ

私がそう答えると、女子は私の机の上に

無造作にワークを置いた。

「じゃあ、よろしくね!」

「私も~!」

「あ、うん…。」

そう答える前に彼女達は歩き出していて

私の返事は一人ぼっちになっていた。

私はただ黙って、机の上に

無造作に置かれたワークを手に取ると

立ち上がって教卓の上に揃えて置いた。

教卓の前に立つと教室が見渡せる。

クラスの人を見ると…

帰りの支度をする人、ワークをしている人

友達と話をする人、スマホを眺めている人。

いつも見ている景色と違うなぁ…。

ふと、絵莉ちゃんを見ると

仲の良い女子達と楽しそうに話をしていた。

あれから私…

絵莉ちゃん達と揉めて気まずくなって

クラスの他の女子達が私の事を

どう思っているのか…とか

嫌われているかもしれない…とか

そんな事ばかり考えてた。
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