僕は、君が好きです。
「うん、私達だけど…。」

「そうなんだ…。」

「渋谷…何なの?!」

絵莉ちゃんの隣にいた女子が渋谷くんを

睨んでいる。

「何なの?は、こっちの台詞だけど…

何で…市ノ瀬に声かけなかったの?」

「…えっ?」

その言葉に絵莉ちゃんは少し驚いた様子で

周りの女子を見ていた。

その様子に女子が少し戸惑ったが

すぐに渋谷くんを見て話し出す。

「はぁ…?声かけたけど?」

「え…?」

思わず私は声を出して女子の顔を見る。

「市ノ瀬さん、忘れたんじゃないの?」

「そうそう、言ったよね…!」

「私達を悪者にするんだね~!」

「はぁ~ひどーいっ!」

次々に女子が話し出して

その勢いに私は息を飲んだ。

そんなの…嘘っ、、、だ。

私は…聞いていなかった。

それなのに…

「渋谷~もういい加減、市ノ瀬さんに

構うのやめなよ…っ。」

そう言って女子達は笑いながら

席を立って部屋を出ようとした。

「あっ!おいっ…

まだ終わってないぞ…っ。」

渋谷くんも立ち上がってドアの方に近づく。

「渋谷くんっ!」

私がそう言って渋谷くんの方を見ると

「はぁ~、うざっ…」

不意に絵莉ちゃんの隣にいた

女子が立ち上がって私の方に近づいて

私の顔を睨んでいる。

「え…っ。」

私はその威圧感で身動きができなくなる。

「ねぇ…話があるから外に出てよ。」

そう言って私の腕を掴んだ時

ガシャーッンッッッ!

という何かが割れる音がした。
< 166 / 212 >

この作品をシェア

pagetop