僕は、君が好きです。

止まらない涙を拭おうとした時

ドンッ！！

何かにぶつかりその反動で

転びそうになった瞬間…

グイッ！っと左腕を引っ張られた。

「大丈夫？」

と言う声が頭の上で聞こえてくるが

泣いてる顔を見られたくなくて

「…すみません」

そう言ってすぐに歩き出そうとすると

「真凛ちゃんっ…！」

私の名前を呼び肩を掴まれた。

ゆっくりと顔を上げると

見慣れた顔が私の顔を見つめていた。

「…佐伯くん…っ」

佐伯くんは、私が泣いてるのがわかると

少し驚いた表情になっていく。

「…えっ…真凛ちゃん？どうした？」

佐伯くんの声が思ったより優しくて

私は溢れてくる涙を止められずにいた。

「うっ…うっ…ごめんっねっ…」

「何で謝るの？大丈夫だよ？

真凛ちゃん…とりあえず座ろう…

そこに公園があるから…ね？」

「…うっ…うん」

そう言って歩き出すと佐伯くんは

私の肩にそっと手を添えて

フラついている私の体を支えてくれた。

ようやくベンチに座ると

「…はい！」

佐伯くんが私の手にジュースを置いた。

「…え、いいの？」

「うん…喉乾いたでしょ？

飲んだら、ちょっとスッキリするよ。」

そう言って少し笑っている。

「…ありがとう、…いただきます」

佐伯くんの言葉で少し

気持ちが落ち着いてくるのがわかった。

貰ったジュースを一口飲むと

佐伯くんが私の隣に座って話し出す。

「…真凛ちゃん渋谷に会った？」

「あ…うん」

「渋谷…急に真凛ちゃんいなくなったから

かなり焦ってたよ～？」

佐伯くんは、笑って話していたが

私は渋谷くんに改めて申し訳ない気持ちに

なっていくのと同時に渋谷くんの優しさで

胸が苦しくなる。