僕は、君が好きです。
ブー、ブー、ブー
スマホの着信をみて心臓が跳ね上がる。
‘’市ノ瀬真凛‘’
「もしもし…」
「もしもし~!!泰詩、今どこ?」
「下駄箱だけど、何?」
「待ってて!動かないで!」
「泰詩~!!」
君が俺に手を振りながら
一生懸命走って来るのが見えた。
君が俺の顔を嬉しそうに
見上げるのを見たら
胸の鼓動がドキドキと高なりだす。
それを君に悟られたくなくて
俺はわざと声のトーンを抑えて
少し冷たい声を出してしまう。
「部活見学は?」
「延期っ!」
「は??」
「だって私、泰詩と行きたいから。」
「何言って…。」
「今日は泰詩の行きたい部活に
私が付き添うから!」
「えっ?」
「体育で、助けてもらったから
今日は私が言うこと聞くのっ!」
そう言って、君はまた可愛く笑った。
「別にいいよ。」
「ダメ!何でも言ってよ、付き合うよ。」
「付き合う?」
「うん、付き合う!泰詩に付き合う。」
"付き合う…"
もー!なんだよ…
めちゃカワイイんですけど…。
今すぐにでも俺と付き合ってくれって
言いたい…。
「…じゃあ、付き合ってよ。」
「うん、いいよ、どこ行く?」
うん…まぁ…そうだよな…真凛には
こんなの通じるわけないよな…。
「そうじゃなくてさ…。」
そうじゃなくて…じゃあ
いっそのこと言ってしまおうか……。
「えっ?何?」
「あのさ…」
俺は真凛が好きだって……。
「うん」
「真凛は、兄貴が好きなの?」
俺…何、聞いてんだよ…。
「えっ?うん、好きだよ。」
最悪…だ。
しかも、やっぱり好きなのかよ…。
「え…兄貴のどこがいいの?」
平常心を装ってはいたけど
だんだん…
顔がひきつっていくのがわかった。
そして…
心臓の音も徐々に大きくなる。
俺じゃあ…ダメなの?って言いたい。
「そんなん決まってるよじゃん!
かっこいいし、優しいし
テニスすごいし、頭もいいし~。」
そんな事だけで…好きなの?
「じゃあ…付き合いたいって事?」
「そりゃあ、付き合いたくない子なんて
いないんじゃない~?」
そうじゃなくて…
俺が聞きたいのは真凛の事だよ。
真凛はどう思ってるんだよ……。
「真凛も…」
「えっ?」
「いや、なんでもない…。」
俺だってずっと頑張ってたのに…
テニス…いつも兄貴に負けたくなくて
ずっと頑張ってたのに…
そんなことだけなら、俺だって…。
でも、それを決めるのはやっぱ…
俺じゃないよな…。
「ねぇ~!それよりっ!
泰詩はどこの部活に行きたいの?」
真凛が俺の顔を笑いながら
覗きこんできた。
「俺は…」
俺が返事に迷っていると
真凛は少し困った様子で
俺の背中を軽くポンと叩いた。
「泰詩、ごめん…。
泰詩はテニス好きだと思ってたの。
だって泰詩…中学の時
テニスすっごく頑張ってたじゃん。
私は泰詩スゴいなぁって…ずっと
思ってたんだよ?」
そう言った真凛の顔は
少し寂しそうだった。
「俺のテニス見てたんだ?」
「当たり前でしょ~!ずっと見てたよ!」
「私は、泰詩のテニス好きだもん!」
「そっか…」
「何~、今更…へんな泰詩。」
今の俺にはその言葉で十分だった。
「じゃあ、やっぱりテニス部見に行こ。」
「えっ、なんで?
さっき行きたくないって言ってたのに。」
「何となく…だよ。
渋谷とも約束しちゃったんだろ?」
「そうだけど…いいの?」
「いいから、行くぞ!」
「うん!」
そう言った真凛は俺を見て
嬉しそうに頷いた。
真凛が兄貴を本当に
好きなのかはわからない。
けど…君の言葉は俺の胸に響いた。
"テニスを頑張ってる"俺の事を
ちゃんと見ていてくれた…。
"泰詩のテニス好きだよ"
それだけ…だけど嬉しかった。
君の言葉が嬉しかった。
「真凛!」
「あっ!お姉ちゃん。」
スマホの着信をみて心臓が跳ね上がる。
‘’市ノ瀬真凛‘’
「もしもし…」
「もしもし~!!泰詩、今どこ?」
「下駄箱だけど、何?」
「待ってて!動かないで!」
「泰詩~!!」
君が俺に手を振りながら
一生懸命走って来るのが見えた。
君が俺の顔を嬉しそうに
見上げるのを見たら
胸の鼓動がドキドキと高なりだす。
それを君に悟られたくなくて
俺はわざと声のトーンを抑えて
少し冷たい声を出してしまう。
「部活見学は?」
「延期っ!」
「は??」
「だって私、泰詩と行きたいから。」
「何言って…。」
「今日は泰詩の行きたい部活に
私が付き添うから!」
「えっ?」
「体育で、助けてもらったから
今日は私が言うこと聞くのっ!」
そう言って、君はまた可愛く笑った。
「別にいいよ。」
「ダメ!何でも言ってよ、付き合うよ。」
「付き合う?」
「うん、付き合う!泰詩に付き合う。」
"付き合う…"
もー!なんだよ…
めちゃカワイイんですけど…。
今すぐにでも俺と付き合ってくれって
言いたい…。
「…じゃあ、付き合ってよ。」
「うん、いいよ、どこ行く?」
うん…まぁ…そうだよな…真凛には
こんなの通じるわけないよな…。
「そうじゃなくてさ…。」
そうじゃなくて…じゃあ
いっそのこと言ってしまおうか……。
「えっ?何?」
「あのさ…」
俺は真凛が好きだって……。
「うん」
「真凛は、兄貴が好きなの?」
俺…何、聞いてんだよ…。
「えっ?うん、好きだよ。」
最悪…だ。
しかも、やっぱり好きなのかよ…。
「え…兄貴のどこがいいの?」
平常心を装ってはいたけど
だんだん…
顔がひきつっていくのがわかった。
そして…
心臓の音も徐々に大きくなる。
俺じゃあ…ダメなの?って言いたい。
「そんなん決まってるよじゃん!
かっこいいし、優しいし
テニスすごいし、頭もいいし~。」
そんな事だけで…好きなの?
「じゃあ…付き合いたいって事?」
「そりゃあ、付き合いたくない子なんて
いないんじゃない~?」
そうじゃなくて…
俺が聞きたいのは真凛の事だよ。
真凛はどう思ってるんだよ……。
「真凛も…」
「えっ?」
「いや、なんでもない…。」
俺だってずっと頑張ってたのに…
テニス…いつも兄貴に負けたくなくて
ずっと頑張ってたのに…
そんなことだけなら、俺だって…。
でも、それを決めるのはやっぱ…
俺じゃないよな…。
「ねぇ~!それよりっ!
泰詩はどこの部活に行きたいの?」
真凛が俺の顔を笑いながら
覗きこんできた。
「俺は…」
俺が返事に迷っていると
真凛は少し困った様子で
俺の背中を軽くポンと叩いた。
「泰詩、ごめん…。
泰詩はテニス好きだと思ってたの。
だって泰詩…中学の時
テニスすっごく頑張ってたじゃん。
私は泰詩スゴいなぁって…ずっと
思ってたんだよ?」
そう言った真凛の顔は
少し寂しそうだった。
「俺のテニス見てたんだ?」
「当たり前でしょ~!ずっと見てたよ!」
「私は、泰詩のテニス好きだもん!」
「そっか…」
「何~、今更…へんな泰詩。」
今の俺にはその言葉で十分だった。
「じゃあ、やっぱりテニス部見に行こ。」
「えっ、なんで?
さっき行きたくないって言ってたのに。」
「何となく…だよ。
渋谷とも約束しちゃったんだろ?」
「そうだけど…いいの?」
「いいから、行くぞ!」
「うん!」
そう言った真凛は俺を見て
嬉しそうに頷いた。
真凛が兄貴を本当に
好きなのかはわからない。
けど…君の言葉は俺の胸に響いた。
"テニスを頑張ってる"俺の事を
ちゃんと見ていてくれた…。
"泰詩のテニス好きだよ"
それだけ…だけど嬉しかった。
君の言葉が嬉しかった。
「真凛!」
「あっ!お姉ちゃん。」