僕は、君が好きです。
2章①-泰詩~素直になれない~vol.7
~泰詩side~
テニスコートは見学者や部員達で
結構混雑した。
ちょうど兄貴達がプレーをしていて
皆の視線を集めていた。
「あっ、蒼太くんだぁ、やっぱすごいよ。」
「相変わらず兄貴びいきだな。」
「そりゃあね~。」
真凛が満面の笑顔で兄貴を見ていた。
兄貴を見て笑っている真凛。
大好きな真凛の笑顔のはずなのに
それなのに…
その笑顔が胸に突き刺さってて
胸の奥が痛くなる。
「あっ!市ノ瀬さん。」
渋谷が真凛に手を振って近付いてくる。
「渋谷くん、遅くなってごめんね。」
「大丈夫、説明は今からだから。」
「そっちは…」
「あっ、お姉ちゃんと泰詩…仲原くんです。」
「仲原は同じクラスだから知ってるよ。
お姉さん、市ノ瀬さんと良く似てるね。」
「うん、そうかな?
お姉ちゃんのほうが可愛いでしょ。」
「あっ…えーっと…。」
「真凛やめてよ、困ってるでしょ!」
可憐さんが、真凛の腕を掴んで
少し困った顔をした。
「アハハ、はーいっ!」
真凛はいつものように屈託ない顔で笑う。
渋谷は真凛の顔を嬉しそうに見た後
俺の方に目を向けた。
「仲原、テニス部に入るの?」
渋谷、話かけるなよ…。
って…何だか俺…
今日はずっとイラついているし…。
「別に…付き添いだから。」
「でも、中学時代…
テニスやってなかった?
大会で見かけた事ある。」
「してたよ…
でも、もうテニスはしないから。」
「へぇ…。」
渋谷が意味深な顔で俺を見た。
何なんだコイツ…
「じゃあ、また後でね市ノ瀬さん。」
「渋谷くんありがとう!またね。」
真凛は渋谷にニコッと笑う。
たく…
誰にでも笑いかけるなよ…。
「あっ、そろそろマッチポイントかな?」
試合を気にした真凛が俺のブレザーの袖を
ツンツン引っ張った。
真凛を横目でチラッと見ると
真凛の黒目がちな瞳が俺を見ていた。
ドキッ…
可愛い…
胸が高鳴って、その後すぐに
心がズシンと重くなった。
「そうだな……。」
俺はそう言うと目を反らして
前を向いた。
兄貴たちのチームは
3ー3で最後のポイントをかけていた。
これをとったら兄貴達の勝ちだ。
でも正直…
試合の事なんか全然頭に入ってこない。
真凛の事が気になって仕方ない。
なんか俺
カッコ悪りーな……。
ちょっとした事に
いちいちイラついたり沈んだり…。
その時……
ドサッ!
「えっ?」
振り返ると、花怜さんがが倒れていた。
「お姉ちゃん、お姉ちゃん!!」
「どうしよう、泰詩…!」
涙目の真凛が俺の顔を見上げた。
「落ち着け!大丈夫だから!
保健室連れていくから!!
先生に言ってこいっ。」
「わかった!」
真凛が走り出そうとしたその瞬間
花怜さんの体がフワリと浮かんだ。
俺が見上げた時
もう花怜さんは抱き抱えられていた。
「えっ?兄貴?」
「蒼太くん?」
「…俺が連れてくから!」
「えっ!…っていうか、試合はいいのかよ?」
「今は、そんなのどうでもいい。」
兄貴は、花怜さんを抱き抱えて走っていった。
「蒼太くん…。」
「真凛、俺たちも行くぞ!」
「あっ、うん!」
テニスコートは見学者や部員達で
結構混雑した。
ちょうど兄貴達がプレーをしていて
皆の視線を集めていた。
「あっ、蒼太くんだぁ、やっぱすごいよ。」
「相変わらず兄貴びいきだな。」
「そりゃあね~。」
真凛が満面の笑顔で兄貴を見ていた。
兄貴を見て笑っている真凛。
大好きな真凛の笑顔のはずなのに
それなのに…
その笑顔が胸に突き刺さってて
胸の奥が痛くなる。
「あっ!市ノ瀬さん。」
渋谷が真凛に手を振って近付いてくる。
「渋谷くん、遅くなってごめんね。」
「大丈夫、説明は今からだから。」
「そっちは…」
「あっ、お姉ちゃんと泰詩…仲原くんです。」
「仲原は同じクラスだから知ってるよ。
お姉さん、市ノ瀬さんと良く似てるね。」
「うん、そうかな?
お姉ちゃんのほうが可愛いでしょ。」
「あっ…えーっと…。」
「真凛やめてよ、困ってるでしょ!」
可憐さんが、真凛の腕を掴んで
少し困った顔をした。
「アハハ、はーいっ!」
真凛はいつものように屈託ない顔で笑う。
渋谷は真凛の顔を嬉しそうに見た後
俺の方に目を向けた。
「仲原、テニス部に入るの?」
渋谷、話かけるなよ…。
って…何だか俺…
今日はずっとイラついているし…。
「別に…付き添いだから。」
「でも、中学時代…
テニスやってなかった?
大会で見かけた事ある。」
「してたよ…
でも、もうテニスはしないから。」
「へぇ…。」
渋谷が意味深な顔で俺を見た。
何なんだコイツ…
「じゃあ、また後でね市ノ瀬さん。」
「渋谷くんありがとう!またね。」
真凛は渋谷にニコッと笑う。
たく…
誰にでも笑いかけるなよ…。
「あっ、そろそろマッチポイントかな?」
試合を気にした真凛が俺のブレザーの袖を
ツンツン引っ張った。
真凛を横目でチラッと見ると
真凛の黒目がちな瞳が俺を見ていた。
ドキッ…
可愛い…
胸が高鳴って、その後すぐに
心がズシンと重くなった。
「そうだな……。」
俺はそう言うと目を反らして
前を向いた。
兄貴たちのチームは
3ー3で最後のポイントをかけていた。
これをとったら兄貴達の勝ちだ。
でも正直…
試合の事なんか全然頭に入ってこない。
真凛の事が気になって仕方ない。
なんか俺
カッコ悪りーな……。
ちょっとした事に
いちいちイラついたり沈んだり…。
その時……
ドサッ!
「えっ?」
振り返ると、花怜さんがが倒れていた。
「お姉ちゃん、お姉ちゃん!!」
「どうしよう、泰詩…!」
涙目の真凛が俺の顔を見上げた。
「落ち着け!大丈夫だから!
保健室連れていくから!!
先生に言ってこいっ。」
「わかった!」
真凛が走り出そうとしたその瞬間
花怜さんの体がフワリと浮かんだ。
俺が見上げた時
もう花怜さんは抱き抱えられていた。
「えっ?兄貴?」
「蒼太くん?」
「…俺が連れてくから!」
「えっ!…っていうか、試合はいいのかよ?」
「今は、そんなのどうでもいい。」
兄貴は、花怜さんを抱き抱えて走っていった。
「蒼太くん…。」
「真凛、俺たちも行くぞ!」
「あっ、うん!」