僕は、君が好きです。
「真凛…」

「うん?」

今なら言える…。

「俺さ、俺…ずっと」

「そうそう、聞いてよ!泰詩!」

「えっ?」

「実は今日のお昼休みにね~渋谷くんに

好きって言われちゃった。」

「は?」

「だから、告白!」

「付き合ってほしいって」

「私の事、中学の時から

好きだったんだって」

「全然知らなかったよ~。」

「だって中学とか別だったのに。」

「すごくない?!」

「で?」

「で?って?」

「返事!!」

「ああ、うん…

付き合うって良くわからないけど

でも…なんか嬉しくて。」

嘘だ。

やめろ

やめろ

やめてくれ。

「私でよかったらって言っちゃった!」

最悪だ…。

目の前が真っ暗になった…。

まさか、昨日の今日で

こんなことになるなんて

信じられない…。

渋谷と付き合うって事は…

俺の事は本当にただの友達ってことかよ。

真凛は俺の事

何とも思ってなかった…。

「なんだそれ。」

「えっ?」

「渋谷が好きなの?」

「渋谷くんはいい人だよ?」

「そうじゃない!!

好きなのかって聞いてるんだよ!」

「好きなわけないよな…

昨日まで兄貴の事が

好きだって言ってたんだから。

…好きっていう奴なら

誰でもいいのかよ!?

なぁ、真凛の好きってなんなんだよ…?

何、考えてんだよ…?

何でそんな何にも知らない様な奴と

付き合おうって思えるんだよ。

わからない…俺に、教えてくれよ…。」

「そんな…あ、泰詩…。」

「俺は兄貴だから黙って見てたのに…っ。

兄貴の事好きって言うから…。

そんなに付き合いたいなら…

誰でもいいなら、俺と付き合えよ…。

っ…俺は、俺は…」

「泰詩…?」

「真凛が好きだ…。

ずっと子供の頃から、ずっとずっと…

真凛の気持ちを知りたかった…

好きなのに…

いつも一緒にいるのに

届かなくて

ずっと苦しかった…。」

「……泰詩」

「……………なんでだよっ…

なんで兄貴なんだよ…

なんで…渋谷なんだよ…。」

なんで俺じゃないんだよ…。

かっこわりー最悪だ…。

こんな風に告白するつもりじゃなかった。

もっと違う風に伝えたかった…。

君にいつか届いてほしいと思ってた想い。

だけど

想ってるだけじゃダメだった。

言葉にしないと届かない。
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