僕は、君が好きです。
その日から…

君と僕は一緒に学校に行って

帰りも一緒で…

僕達はいつも一緒だった。

よく二人で学校の帰りに原っぱに行った。

僕の草花の観察にも付き合ってくれた。

君はそこで僕に草花の事を聞いては

興味津々な様子で本当に

楽しそうに笑っていた。

それと君は花で冠とかブレスレットとか

カワイイものを作るのが好きだった。

「ねー、泰詩くんこの青い花なんて名前?」

「それは勿忘草だよ。」

「ワスレナグサ…。」

「そっかぁカワイイお花だねぇ~

私好きだなぁ。」

「そうだね…カワイイ。」

「あっ、そうだ!私これで指輪作ってみる!」

「あれ?うまくできない~」

「う~んっ、ここを結んで…」

一生懸命な君を見て

僕はどうしても作ってあげたくなった。

「はい、これあげるよ。」

僕は勿忘草の指輪を渡した。

「えっ?いいの?泰詩くん上手だね!」

「じゃあ…」

君は僕に指輪を渡した。

「えっ?何?」

「つけてくれる?」

そう言うと君は僕に左手を差し出した。

僕はどの指につけたらいいのか

わからなかった。

だから君の一番長い指…

僕は君の中指に指輪をつけた。

「カワイイ…泰詩くんありがとう。」

その指輪を空に向かってかざして眺め

にこにこ笑う君…。

僕はその仕草が、笑顔があまりに可愛くて

一瞬…呼吸をするのを忘れていた。

ドキンドキン…

僕の心臓が大きな音をたてていた。

その時僕は思ったんだ。
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