僕は、君が好きです。
やっとの思いでフラフラ家に入ると

玄関に崩れ落ちた。

「真凛?帰ったの?」

お姉ちゃんの声が聞こえたけど

もうお姉ちゃんの姿が見えなかった。

だって私の目にはたくさんの

涙が溢れてたまっていたから。

「ウッ、クッ…」

ポタポタ…

涙で顔がくしゃくしゃになる。

苦しい…。

この気持ちって……。

泰詩が誰かを好きって言ってるのが嫌。

泰詩が私を見てないのが悲しい。

苦しくて胸の奥が

ギューって締め付けられて

上手く息ができなくなる。

そっか…これが…。

私の今までの湧いてきていた想いは…

泰詩の事が好きってことなんだ…。

私…泰詩が好きなんだ。

これが…この気持ちが

"泰詩の好き"だったんだ…。

今まで私に見せた

泰詩の悲しい顔、切ない顔…

泰詩がどうしてあんな顔したのか私…

やっとわかったよ。

今の私の好きは泰詩と同じだ…。

私…泰詩が…泰詩の事が…。

友達じゃなくて好き…。

好き、泰詩が好き…。

こんなこと今更気づいても遅いかな…?
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