僕は、君が好きです。
俺が校庭を歩いて戻って行くと

真凛が走ってくるのが見えた。

「あっ、泰詩！」

スカート履いている事も忘れて

全力疾走してくるから

スカートがめくれて

今にもスカートの中が

見えそうになっている。

「バカ…。」

校庭でサッカーして遊んでる男子が

そんな真凛を指さして見ている。

その男子にイライラして

俺は無意識に大声を出してた。

「真凛！止まれ！！」

真凛は、ビクッとして止まった。

そして困惑した顔になっている。

はぁっと少しため息まじりに

俺は真凛の所に走った。

「泰詩！

ビックリさせないでよ、渋谷くんは？」

「帰った…。」

「えっ？何で？何で帰っちゃたの？

…泰詩、止めなかったの？」

「…。」

「泰詩…っ！？」

俺は自分自身のイライラを

真凛にぶつけてしまった…。

「本当に、鈍いな…？」

「えっ？」

「渋谷は…今は、お前には

会いたくないって事だろ？」

そんなんだから…。」

そこまで言いかけて

俺は真凛の顔をみてハッとした…。

真凛は瞳に

涙をいっぱいためて立っていた。

「なによ？…そんなんだから？

だから、傷つけるんだろ？

わかってるよ…。

私、最低だって…。

でも…私わからなかったんだもん。

本当の自分の気持ち…

やっと…わかったのに…。」

え…？

それって…。

「わかったって？」

「…言いたくない…。」

そう言うと真凛は歩き出した。

「真凛…！」

言いたくないって？

どういう事だよ？

俺は真凛を追いかけて手を掴んだ。

真凛は俺の顔を見上げると

悲しげな顔をしていた。

「私と泰詩はただの友達だもんね？

私は泰詩の気持ちがわからないよ。

泰詩は…」

そう言いかけて真凛はやめた。

「なんだよ…。」

「いい…。聞きたくないから。」

そう言うと真凛は俺の手を振り払った。

真凛の本当の気持ち…。

その言葉の意味を探しながら

真凛の背中を見つめていた…。
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