僕は、君が好きです。
「昨日はごめん!俺…

真凛にヒドイ事言った。」

「ごめんな…。」

真凛は振り返って俺を見た。

「ごめんなんて言わないで…。

悪いのは私だよ?

私…いつも泰詩に

助けてもらってばっかりなのに。

昨日だって…すぐに謝れなくて。

今も…私、自分の事ばっかりで…。

ごめん…私…。」

真凛の顔が泣きそうだった。

真凛も言えなかったんだ…。

もっと早く…

言ってやれなくてごめんな。

「ごめんな。」

「え?…」

「不安にさせて…もう大丈夫だから。」

そう言うと俺は笑った。

すると…

真凛の顔から大粒の涙が一粒こぼれ落ちた。

そして真凛は泣きながら笑って俺を見た。

「泰詩は謝らないでって言ったじゃん…

悪いのは私の方なんだから…。

泰詩…ごめんなさい、ありがとう…。」

泣きながら謝る真凛の顔が…

あまりにもいとおしくて…。

今すぐ抱きしめたくなる…。

俺は真凛の顔から涙を手で拭った。

真凛はビックリして俺をみて

泣き笑いの様に笑いだした。

その時…

「あのーいい感じな所悪いけど

ギャラリーすごいですよ?」

隆司は俺たちを見て笑うと

教室に入っていった。

その言葉で周りを見渡すと

クラスの奴や隣のクラスの奴まで

皆に見られていた。

俺は思わず真凛の腕を引っ張って

廊下を走り出した。
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