君が笑ってくれるなら
『食べるか?』

「プルーンゼリー!?」

『貧血防止だ。鉄分、コラーゲン、食物繊維もたくさん入っている』

「結城さんって、健康食品好きなんですか。青汁飲んだりプルーン食べたり」

『必要に迫られてだ。食が細いし、制限が色々あるんでね』

結城さんは紹介してくれたランチも、一緒に行った夕食も美味しいと言いながら全部食べきれず残していたなと、振り返る。

『虚弱体質の上に栄養失調だと洒落にならないからな』

結城さんはわたしの顔を観て口角を上げた。

「ないですよね、結城さんに限って栄養失調なんて無い。塩分、糖分計、カロリー計算、水分量、栄養管理も、ちゃんとしてますよね」

『仕方なくだ』

少し口を尖らせた結城さんの様子が、可愛いと思った。

口では悲観的だけど、結城さんは現状を嘆いてはいないと思った。
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