気になる彼への恋心
伊達マスクをした彼の話
暑くても、寒くても、彼はマスクをし続けている。
果たしてその素顔は……と、気になっているわけでもなく、彼は何かを食べるときや水分を取るときは、外すのでどんな顔をしているのかは知っている。
マスクが大きく見えるくらいの、女子が羨む小顔に、これまた羨むキメの細かい肌。
加えて、睫毛は長く目も二重でぱっちり。なんと言うか、美少年という言葉が当てはまる容姿である。
……大変羨ましい。
顔だけの事を言うわけではないが、別に隠す必要は無いように見える。
いわゆる、伊達マスク依存性に近いのかもしれない。
私はそんな彼が何となく気になって仕方がない。
どんな人なのか、何を好むのか、何を嫌うのか。
クラスメイトと言えど、見ているだけでは分からない事がある。むしろ分からないことばかり。
そんな私に今日、チャンスが巡ってきた。
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