気になる彼への恋心
チャイムがなるギリギリで授業に戻り、席に着く。
先の事は気にしていないのか、どうでもいいのか、関わりたくないのか、彼はしっかり前を向いて授業を聞いている。
ありがたい。けれど、空しい。
授業なので仕方ないと言えば仕方ないのだが。
「うぅ……」
もう何だか胃が痛くなってきた。ぎゅーっとお腹を押さえて授業に耐える。
この授業が終わったら速攻で帰ろうそうしよう。
そんな状態でそう決めながらも一生懸命ノートを写してしまうのは、彼にまたノートを貸す日が来るかもしれないという淡い期待だったのだろうか。
明日は休みだ。今日の事を忘れるくらい眠ろう。
そして私は決意通りに授業が終わると同時に走りだし、部屋の中に引きこもったのだった。