気になる彼への恋心


キョドキョドと挙動不審になりながらも、思い出して勢いよく立ち上がる。


「あ、お、おはよう!……ございます」


先に挨拶をしてくれた彼への挨拶返しだ。

またタイミングが悪いとは思ったけれど、返さないのも問題で、何よりちゃんと挨拶がしたかった。


「おはよ」


するとどうだろう。彼は先にしてくれていたにも関わらず、また挨拶をしてくれたではないか。

それがどうしようもなく、嬉しくて、胸がきゅうっと苦しくなった。

ヤバい。本当に苦しい。

好きだ。私は間違いなく彼が好きだ。

もっと彼の事を知りたい。知りたくて堪らない。

でも一体どうすれば更に彼の事を知れるのだろうか。そもそも挨拶一つで平常に居られなくなるのに。



< 15 / 37 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop