気になる彼への恋心
キョドキョドと挙動不審になりながらも、思い出して勢いよく立ち上がる。
「あ、お、おはよう!……ございます」
先に挨拶をしてくれた彼への挨拶返しだ。
またタイミングが悪いとは思ったけれど、返さないのも問題で、何よりちゃんと挨拶がしたかった。
「おはよ」
するとどうだろう。彼は先にしてくれていたにも関わらず、また挨拶をしてくれたではないか。
それがどうしようもなく、嬉しくて、胸がきゅうっと苦しくなった。
ヤバい。本当に苦しい。
好きだ。私は間違いなく彼が好きだ。
もっと彼の事を知りたい。知りたくて堪らない。
でも一体どうすれば更に彼の事を知れるのだろうか。そもそも挨拶一つで平常に居られなくなるのに。