気になる彼への恋心


このクラスになって二カ月で、チャンスが巡ってくるとは思いもしなかった。

そう、1ヶ月一回の重要イベント、席替えだ。

一番後ろの席になれればいいなーと言う欲と、彼の近くになれたらいいなーと言う欲は願いとして聞き届けられたらしい。

一番後ろで、前が彼。そして窓際。

なんたる幸せだろう。運を使い果たしたかもしれない。今後悪いことが起こるかもしれない。

それでも、今はただその幸運に浸って、このチャンスを物にしようと、意気込んでいたのに。


「話すきっかけがない!!!!」

「うわっ!?びっくりした!え、何?突然」


席替えして早1週間、まだ一言も喋れていない。

このグズさにどうしようもなくなって、昼食中にも関わらず叫んでしまった。


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