気になる彼への恋心


果たしてこの言葉に誤魔化しは効くのか。少なくとも私は誤魔化すほどの言葉を持ち合わせていない。


「えぇ、と。あの、高瀬くん国語の時は頭揺れてないから、えと、それで、好きなのかなって」


彼は私の言葉をさして気にしていないのか、赤ペンに持ちかえてノートを書いていた。


「うん、好きだよ」


その言葉はいつものように掠れた声なのに魅力的で、多分好きだという言葉に反応してしまったのだろう。

私は何て卑しいのだろうか。

でも、何であれ彼から発せられる好きと言う言葉はとても特別な言葉なのだ。


「いいなぁ……」


思わず小さく呟いた。

私も言われない、だなんて。国語を羨ましがるなんて。

いよいよ私も重症らしい。


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