気になる彼への恋心


後ろから見る彼は、柔らかそうな黒い髪を揺らして、時折こっくりこっくり頭が動いている。

どの授業でもそうなってる事が多いが、古典や現代文の時は一回もそうならない。

もしかして国語が好きなのか。

プリントを後ろに回すとき、時折目が合うがすぐに逸らされてしまう。そうして私は彼からプリントを貰う。

その時に見る指は細くて、それでいて骨っぽい。

Yシャツの上にいつもベストを着ているか、寒いときはカーディガンを着ているのだが、いつも後ろだけ裾が出ている。


話しかけれないこの1週間で得た彼の事。

そして、恋と言われてから妙に意識してしまい、もっと話しにくくなった2週間目も終わりに近づこうとした日の事だ。


「ねぇ」


< 6 / 37 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop