気になる彼への恋心
後ろから見る彼は、柔らかそうな黒い髪を揺らして、時折こっくりこっくり頭が動いている。
どの授業でもそうなってる事が多いが、古典や現代文の時は一回もそうならない。
もしかして国語が好きなのか。
プリントを後ろに回すとき、時折目が合うがすぐに逸らされてしまう。そうして私は彼からプリントを貰う。
その時に見る指は細くて、それでいて骨っぽい。
Yシャツの上にいつもベストを着ているか、寒いときはカーディガンを着ているのだが、いつも後ろだけ裾が出ている。
話しかけれないこの1週間で得た彼の事。
そして、恋と言われてから妙に意識してしまい、もっと話しにくくなった2週間目も終わりに近づこうとした日の事だ。
「ねぇ」