君とのツナガリ
そして今日は爽くんがこの……
"ツナガリ"をくれた日なんだ……。
《三月六日》
この日には絶対するって決めていることがある。
それは………
爽くんのお兄さんのおはかまいりに行くことだ。
"ツナガリ"をもらったあの日お兄さんは……
足を滑らせ崖から海へ落ち、……
……死んだ…
帰る少し前だった…。
爽くんのお兄さんは【涼】という名前で爽くんの五歳上だった。
爽くんとはとっても仲が良く、涼さんが亡くなった時爽くんは……………………
… 人の抜け殻のようだった…。
幼い子供なら普通は泣きわめくだろう。
なのに爽くんは………
心のないロボットのように固まっているだけだった。
花菜は……泣きわめくしか出来なかった…。
その日から爽くんは感情のない人になってしまった。
一つ言えるコトは…
"ツナガリ"の存在を忘れてしまったかもしれないということだけ…。