Hospital waste
やたらと広い病院の敷地。

その敷地をグルリと取り囲む、高く白い塀に沿って歩いてみる。

如何に外部の者を拒む病院とはいえ、ゴミだけは外部に出さなければなるまい。

衛生第一の病院が、ゴミをいつまでも抱えておく訳にもいかないからだ。

しばらく歩くと、アレックスの目当てのものはあった。

ゴミ集積用のボックスがある訳でもなく、決められた位置に山積みにしてある黒いビニール袋の山。

フロリダのこの陽気のせいか、何とも言えぬ臭いを放っている。

生ゴミなどの腐敗臭とはまた違った、どこか特殊な臭い。

強いて言うならば、病院内の薬品の臭いに近いか。

薬品の臭いがするという事は、違法に医療ゴミを一般ゴミと混ぜて廃棄してあるという可能性がある。

医療ゴミは分別して廃棄が基本だ。

それだけでも十分に記事になる。

そこを取っ掛かりに、この病院の内部に切り込んでいけばいい。

まずはゴミの内容を確認する必要がある。

スクープの為ならば、アレックスはゴミ漁りくらい躊躇いもなくやってのける事が出来た。

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