Hospital waste

「何か質問は」

「自分はありません」

直立不動のまま、即答するスキンヘッドのウルゲイル。

しかし。

「自分は不満です」

そう答えたのはメイソンだった。

「自分の経験を買って頂けたのは光栄であります。しかし自分達は、何の情報も得ておらず、また化け物との戦闘経験は皆無。そういった任務の為に駆り出されるのは不愉快です。ましてや」

メイソンは横目で、肩口までの茶髪の女性兵士、ジョーダンを見る。

「こんな女と」

「言っておくがメイソン少尉」

マクナイトはメイソンの顔を見た。

「ジョーダン伍長はあらゆる方面の医学知識に明るい。外科、内科、PTSDだけでなく、遺伝子工学や人体工学、細菌、生物に至るまでだ。生体兵器を相手する事になるかもしれないお前達には、ジョーダンの豊富な知識が必ずや必要になる」