Hospital waste
が。

生ゴミだろうが、シュレッダーにかけられた細かい紙切れの復元だろうがやってのけるアレックスでも、この病院のゴミにだけは近付けなかった。

汚れる事や、臭いが嫌だった訳ではない。

…何故かアレックスは、アラビアンナイトに出てくるロック鳥を思い出していた。

三頭の象を持ち去って巣の雛に食べさせてしまうぐらい大きく力が強いとされる、中東・インド洋地域の伝説に登場する巨大な白い鳥。

そこまで大きくも白くもないが、ゴミ置き場には鳥がいた。

大きな鳥だ。

翼長2メートルはあるだろうか。

そういう鳥も、世界中を探して回ればいなくはないかもしれない。

だが、アレックスの目の前のそれは、明らかに彼の知っているものとは違った。

黒い体色の鳥。

あれは…カラスか…?

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