Hospital waste
この地域にいるとすれば、スズメ目カラス科に分類されるワタリガラスか。

英名は『コモン・レイヴン (common raven)』。

ハシブトガラスよりも一回り大きい。

しかしせいぜい全長60センチ。

目の前にいる奴は、明らかにそれよりもデカイ。

雑食性で生ゴミや動物の死骸を啄んでいる所がよく目撃され、都市部では食物を得る為にゴミ集積所を荒らすのはフロリダでも御多聞に漏れないようだが…。

あのワタリガラスは、この病院のゴミを漁ったのか?

その結果、あんなデカさに成長したのか? 

だとしたら何を食った?

ゴミに混ざっていた薬品の類か?

ならこの病院、一体何を捨てたんだ?

アレックスの脳内で、様々な憶測が駆け巡る。

と。

「!」

思わずアレックスの体が硬直した。

ゴミの山の上に立っていたカラスが、こちらを凝視したのだ。

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