Hospital waste
咄嗟に振り向き、銃口を向けるアレックスだったが。

「撃たないで!」

聞き覚えのある声に、アレックスは動きを止めた。

それは、ゴミ塗れ、埃塗れになったシエラだった。

「シエラ、無事だったのか」

思わず彼女に肩に手を置くアレックス。

そんな彼の背中に。

「っ!」

いきなり何かか覆い被さって来る!

シエラをダストシュートに引き摺り込んだあの細身の男だ。

彼はその体躯に見合わぬ力で、背後からアレックスの首を絞めつつ、ゴミの中に引き摺り込もうとする!

か細い枯れ枝のような腕ゆえか、アレックスの太い首に食い込む。

それでいて、信じられないような怪力。

気道が押し潰され、呼吸が止められてしまう。

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