Hospital waste
ゴミの中をしばらく歩き続けると、だんだんとゴミの量が減ってきた。

代わりに下水道らしき通路に出る。

大きなトンネルの中央に、踝程度の深さの汚水が流れていて、左右に人一人が歩ける通路がある。

ゴミが減ったとはいえ、悪臭は相変わらずだ。

通路には鼠やらゴキブリやらが這い回っており、不衛生極まりない。

だが。

「ここを通れば外に通じている筈だ」

アレックスは一縷の希望を見い出す。

水は必ず外へと排出されている。

下水ならば尚更。

ここを通れば、病院の外に出られる筈だ。

出られるならば、鼠もゴキブリも悪臭も我慢するか。

服どころか髪の毛にまで悪臭が染み付きそうな事をぐっと堪え、シエラは黙って歩いた。

< 67 / 200 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop