Hospital waste
主人に逆らった。

果たしてアンドレイを主人と認識しているかどうかは定かではないが…目の前の巨人は、両腕を振り上げ、大地を揺るがすかのような咆哮を上げる。

命令を理解し、アレックス達を抹殺するよう仕向けられたのか、それとも目の前で動く者をただ無差別に殺すだけなのか。

ともかくゆっくりと歩を進め、近付いてくる巨人。

シエラがアレックスの背中にしがみ付く。

背後は目も眩むような高さだ。

飛び降りるには危険すぎる。

引き返して別ルートの脱出口を探すしかないが、それを遮るべく立ちはだかる巨人。

「下がっていろ」

アレックスはシエラを離れさせ、拳銃を握り締める。

残る弾薬全てを使い切っても、コイツは倒さなければならない。

倒さなければ、生き残る術はない。

< 86 / 200 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop