Hospital waste
頭部に発砲を繰り返し、怯んだ所で打撃。

アレックスはそれを繰り返した。

残り少ない弾丸で、無駄撃ちは出来ない。

効果的と思われる箇所にのみ、射撃を集中させる。

既に二桁は、頭部に弾丸を撃ち込んでいた。

何度も足を止め、苦しむような素振りを見せる。

それでも、巨人はすぐさまダメージから回復したように接近を試みる。

効いていないのか?

元はこの病院の患者をベースにしている筈なのに、人間の筈なのに、これだけ撃たれても死なないのか?

アレックスの心に迷いが生じ始める。

アンドレイの言う究極の生命、機能美と造形美。

造形美は見る影もないが、こと機能美に関しては、既に完成しているのではないか?

この巨人は、倒せないのではないか?

そんな不安が、アレックスの頭を掠める。

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