Hospital waste
数日後。

アレックスは取材道具を纏めて海外へと発っていた。

目的地は決まっていない。

ソマリア、シリア、南スーダン。

今も尚、内戦が継続している政情不安定な国を一通り回ってみるつもりだった。

嘗て飯を食い繋いでいた戦場カメラマンの仕事を、ここに来てもう一度やってみるつもりでいる。

無論、戦争の悲惨さ、愚かさを伝える為というのもある。

だが。

アレックスもまた追っているのだ。

死体の出る所に、奴もまた現れる。

数多の死と死体が量産される場所、戦場。

奴はその死と死体の臭いを嗅ぎつけて、ハゲタカのように姿を見せるのではないかと。

< 98 / 200 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop