境界線
「春樹。」
「ん?」
「流石に恋人ごっこはやめよーよ。
絶対変だって。」
「いーんだよ。今ハマってるんだよ。俺の中で。
恋人ごっこの設定。」
「それを強要される身にもなってよ。
罪悪感しかないよ。社長の娘さんに。」
って、そんなこと考えてる余裕。
ないけどさ。
言い訳なんて、これくらいしか思いつかないの。
「じゃぁ、境界線な?
好きまでオッケー。愛してるからはタブー。
お前との関係を繋ぐために、線をひいてやる。
これでいーだろ?」
境界線って。
その境界線も自分のルールじゃん。
ほんと、身勝手な男。